・暗記に頼らないこと

・分からなくても自分なりに考えてみること

・ミスを言い訳にしないこと

勉強の仕方が分からない、勉強してもなかなか点数が伸びない。

そんな悩みを解決するための3つの秘訣。

数学が得意な子がしている勉強法を心がけることで、数学は確実に伸びていきます。

 

秘訣①~暗記に頼らないこと~

「難しい」、「分からない」という言葉をよく聞きます。どこが分からないのかを聞くと「全部」と答える生徒が多数です。

しかし、解説をしていくと「そこは分かる」と答える生徒も多数です。結局、全部分からないというのはほんの一部です。

また、証明の授業をしようとしたとき「学校でやって難しかった」という声があがったので、なぜ難しいと思ったのかを聞いたことがあります。

すると、「長い」、「覚えることが多い」、「何をしていいか分からない」という声が多数でした。

ここで「長い」という言葉に注目してみましょう。本当に答えが長いと難しいのでしょうか。次の例を見てみましょう。

3+3×23-(32+4×2) =3+3×23-(9+4×2)

=3+3×23-(9+8)

=3+3×23-(+17)

=3+3×8-(+17)

=3+24-(+17)

=3+24-17

=27-17

=10

とても長い計算式です。

しかし、生徒に難しいかを聞くと「簡単」と答える生徒が多数でした。

つまり、長い=難しい」ではないことが分かります。

ここで、数学を難しいと感じる原因をあらためて考える必要があります。

実は「覚えることが多い」という言葉にヒントがあります。

証明の答えを暗記しなければいけないと思ったから難しいと感じただけなのです。

計算のほうはなぜ簡単かといえば問題の解き方、つまり、やることが分かっているからです。

やることが分かっているので、途中式も自ら導いて書くことができます。

仮に上の計算問題もやり方も分からないまま、途中式も含めて暗記しなさいといわれれば難しいと感じるでしょう。

このように、数学を難しいと感じる多くの原因は答えを暗記しようとする姿勢にあります。

また、答えを暗記しようとするせいで、どこが分からないのかが分からない、また、初めて見る問題に出会ったときに何をすればよいか分からないということが起きてしまいます。

まずは、数学を暗記で解決しようとする姿勢をなくすようにしましょう。

「そんなこといっても公式暗記していないと問題解けないし・・・」と思う方はいらっしゃるかと思います。

結論をいいます。

公式は暗記するものではありません。

問題を解けるようにするための道具です。

次の例を見てみましょう。

 

問. 次の式を因数分解しなさい。

x2+5x-36

 

この問題を解くのに使う公式は次の4つのうちどれかです。

(仮に4つの公式を暗記していたとしましょう。)

 

公式① x2+(a+b)x+ab=(x+a)(x+b)

 

公式② x2+2ax+a2=(x+a)2

 

公式③ x2-2ax+a2=(x-a)2

 

公式④ x2-a2=(x+a)(x-a)

 

 

さて、問題を解くことはできたでしょうか。使うのは公式①で、a=9,b=-4と見ます。

つまり、

x2+5x-36= x2+{9+(-4)}x+9×(-4)

=(x+9){x+(-4)}

=(x+9)(x-4)

公式を暗記していたとして問題に挑みました。

しかし、できなかった方もいらっしゃるのではないでしょうか。

つまり、公式を丸暗記したところでできるようになるわけではないということです。

では、この問題を解くために必要なことは何かを考える必要があります。

それは、

①問題の意味が分かること

②公式の理解の仕方

です。

①はこの問題でいえば因数分解という言葉の意味が分かっているかということです。

因数分解の意味を説明するのは省略させていただきますが、上の公式でいえば左辺から右辺のような形にすることを因数分解するといいます。

②ですが、これが一番大事になってきます。例えば上の問題であれば、「たして5、かけて-36になる2つの数の組み合わせを探しなさい」が公式①の意味です。初めは探すのに苦労しますが、慣れてこれば2つの数は+9と-4であることが分かります。

ですので、

x2+5x-36=(x+9)(x-4)

となります。

このように、公式の意味を理解し、問題を解くのに慣れてこれば、公式を暗記するということは必要なくなります。

先ほどから「慣れてこれば」と述べていますが慣れるためには一つしかありません。

「公式の理解を深めるためにその公式を使った問題をたくさん解く」

です。

たくさん問題を解くことで「暗記する」から「暗記しなくてもできる」の状態にします。

「暗記する」ということは「暗記する=忘れたらできない」ということです。

また、「応用問題を解くことをあきらめる」にもつながります。「暗記する」ということは問題の解き方や意味を理解していません。

ですので、少し形の変わった問題が出ると自分の暗記している問題とは違うわけですから全く手が出なくなります。

「暗記しなくてもできる」ということは、もともと暗記しているものがないので「忘れる」ということがありません。

つまり、数学の力が確実につくことを意味します。これに近い例が小学校で学習した九九です。

小学校のころに学習した内容ですが、時間がたったら忘れてできなくなったということは滅多に聞きません。

 

 

秘訣②~分からなくても自分なりに考えてみること~

数学で分からない問題に出会ったときどのようにしていますか。

すぐに答えを見たり、近くにいる人に聞いたりしていませんか。

「分からないから答えを見る・聞く」というのはいたって自然な行動であり、この行動自体に問題はありません。

ですが、「すぐに」というところが問題なのです。

「分からないから答えを見る・聞く」の前に自分で3分~5分でも考える時間をつくっていただきたいのです。

なぜなら、少しでも時間をとって考えたほうが、あとで答えが分かったときに頭に残りやすいからです。

クイズがいい例です。

クイズを出題されると、あれこれ考えながら答えを見つけようとします。

そして、考えても分からなかったとき、答えを聞いて理由も分かると「なるほど」と頭に印象強く残ると思います。

しかし、もしこのクイズを出題されて、考える間もなくすぐに答えと理由を聞かされても「なるほど」とはなりませんよね。

また、自分で考えたことと答えが違っていたとします。

このとき、答えの内容を理解するのは当然ですが、それに加えて、自分の解答がなぜ違うのかを必ず確認するようにしてください。

なぜ違うかが分からなければ、次回、同じ間違いをすることにつながりますし、なによりその問題の「答えを理解した」だけで「問題を理解した」ことにはならないからです。

ですので、自分の解き方ではだめなのかと思った方は積極的に先生に聞くことをおすすめします。

 

 

秘訣③~ミスを言い訳にしないこと~

「ミスって○○点だった、ミスしなかったら○○点だったのに」、このような言葉を聞いたことはありませんか。

実はこのような発言をされる生徒さんはなかなか数学の点数が上がってきません。

その理由について述べさせていただきます。

まずは「理解」と「できる」の違いについて説明させていただきます。

授業を聞いて理解したつもりでいたけど、いざ問題を解くとなると手が動かなくなるといった経験はないでしょうか。

実は数学は不思議な教科で「理解=できる」ではないのです。

授業で「理解」したことを自分一人で「できる」ようにするために、たくさんの問題を解いたり先生に質問したりします。

そして一人でできるようになってようやく「できる」の状態になります。

次に「できる」と「点数をとれる」の違いについて説明させていただきます。

「計算ミスした」、「時間が足りなかった」といった経験はないでしょうか。

「計算ミスをした」ということは「できる」の状態ではあったのです。

つまり、「できる」の状態ではまだ点数にはつながらないということです。

では、点数をとれるようにするためにはどうしたらよいのでしょうか。

もうお分かりですよね、「計算スピードをあげ、計算ミスをしないようにする」です。

計算スピードをあげるのは問題をたくさんこなすことで解決できますが、計算ミスはどのようにして解決すればよいのでしょうか。

それは「見直し」をすることです。

「見直しはいつもやってる」と思われた方がいらっしゃるかもしれません。

よく私が生徒にいう言葉です。「ミスをすることは問題ではない。

大切なのはそのミスに気付けることです。ミスに気付けたら実力、気付けないのも実力だと思いなさい。」

つまり、しっかりとした「見直し」ができるように「見直しの仕方」を学習する必要があります。

また、「見直し」する時間がないというのも実力です。

「見直し」ができるぐらいに速く解けるようにしましょう。

つまり、「ミスって○○点だった、ミスしなかったら○○点だったのに」とおっしゃる生徒さんは結局「できる」の状態で止まっているのです。

ミスは時間がたったらなくなるものではありません。

ミスしたことを自分の実力だと認め、改善していくことが学力を伸ばすために大切なことなのです。