「数学」と一言で言えば、どうしても「計算」や「公式」といった言葉を連想してしまいます。

「数学で大事なことは何だと思いますか」と聞かれれば「解き方や問題パターンを暗記していること」や「答えが合っているかどうか」と答える人も多いです。はっきり言いますがどちらも全くの的外れです。このような意識下では数学の力は絶対に伸びません。では、どうすれば数学の力を伸ばすことができるのでしょうか。

それは、数学という教科とは何かを知る必要があります。

今回は、数学の力は勉強以外の日常生活の中で培う機会がたくさんあることを知っていただきたいです。

それでは、「数学は全く知らない数学素人です!」という方にも実践できる、

「子どもが自然と数学力を身につける子育て初級編①」

をお話しさせていただきます。

.数学とは論理的思考力を養う教科であることを知るべし

論理的思考は「AだからBとなる。」「Cになるのはなぜ?それはDだからです。」のように考えることが基本です。もう少し応用すれば、「XだからYになります。YだとZになります。ということはXならばZですよね。」といった具合に考えることもできます。

「それができれば苦労しない」といった声をよく聞きますが、それが最初からできるわけないですよね。ここで質問させてください。

「”なぜ”と思ったとき、理由を考えるクセはついていますか?」

「疑問を持ったら何も考えずに携帯やネットで答えを調べていませんか?」

「パズルやクイズの答えをすぐに欲していませんか?」

実は数学をできなくする要因はここにあるのです。先ほども言いましたように、数学とは考える教科ですから、普段から考えるクセが無い人は、テストですぐに諦めるようになってしまいます。

数学力=論理的思考力 ということを知っておきましょう!

例えば、写真のような木を見たことがありますか。冬になると松の木などにわらが巻かれていますよね(“むしろ”といいます)。では何故巻くのでしょうか?

むしろ



木に巻かれているものを

”むしろ”といいます。

 

「景観のため」や「風物詩」と多くの人は答えるでしょう。今でこそそうでしょうが、昔は違ったそうです。では、論理的思考とはどういうものなのか、”むしろ”を例に考えていきましょう。次のことがわかっているとします。

「春になると”むしろ”を取って燃やす」・・・①

「①の”むしろ”には多くの虫がいた」・・・②

この二つの条件から論理的に考えて行きます。

 

①,②から、”むしろ”を燃やすのは殺虫のためだと考えられる。・・・③

では②はなぜだろうか。ここで

「冬になると虫は冬眠する」・・・④

④より、「寒さや外敵から身を守るために虫は”むしろ”の中に潜む。」・・・⑤

ということは①,③,④,⑤より、

「”むしろ”を木に巻く」と「害虫が一カ所に集まる(冬眠のため)」。

「害虫が一カ所に集まった後燃やす」ことで「害虫を一網打尽にできる」。

以上より、むしろを木に巻く」のは「害虫駆除のため」であると考えられる。

 

いかがでしたか?今の話は数学ではありませんでしたが、論理的に考えることで答えが出ましたねこのような思考展開が数学では求められます①~⑤の部分が問題文の条件や公式になってくるわけですね。

ちなみに、現代文では「むしろを巻くように領土を片っ端から攻め、制圧、領地を拡大すること」の意として「席巻・席捲(せっけん)」という言葉があります。

“むしろ”の話を聞いた後であれば、「席巻」の意味をより深く理解できますね。

 

ようやく本題です。

どのようにすれば論理的に考えるクセがつくのか。

それは「普段から子どもになぜを考えさせる」ことです。

これを実践しやすいのが叱るときです。

人間的に未熟な高校生という年代。間違うこともあるでしょう。そんなときどのように叱っていますか?どのように叱ってきましたか?

「お前は○○だからダメなんだ!」とか、「どうしてこんなことをしたんだ!」と一方的になっていませんか?

私たち大人は善悪の分別ができます。悪である理由は経験上知っていますから、叱るときについつい怒っている理由まで言ってしまいがちです。ですが、それでは子どもは「悪い理由は全て教えてもらえる→知らないことやわからないことは教えてもらえる」という思考に至り、ついには「自分で考えなくても良い。知っている人が教えてくれる。」となってしまいます。結果、

自分で考えることをほとんど経験しないまま成長

していってしまいます。ですから、頭ごなしに叱るのではなく、

「何で怒られているのか自分で考えてみろ」や、どうしてこんなことをするのがいけないか考えてこい!」というような考えさせることを心がけてみてください。すると、子どもは考えることをクセにしていきます

加えて、普段の会話でこちらからなぜを問いかけることも有効です。

いきなり”むしろ”の話のような突拍子もないことを問いかけてしまうと「そんなのどうでもいい」と言われてしまうかもしれません。ですので、

最初は子どもの得意分野から質問してみましょう。得意分野であれば、子どもは「教えてあげよう」という意識を持つかと思います。得意分野で答えられないときは考えたり調べたりするはずです。

このような質問に慣れてきたところで、先ほどの”むしろ”のような疑問を投げかけていきます。考えるクセが身についていれば「どうでもいい」で終わらせず、考え始めるでしょう。必要であれば、子どもと一緒に考えても良いですね。

“数学”をがむしゃらに勉強することも有効かもしれません。しかし、実は、

数学力を身に付ける方法は日常生活の中にあるんですよ!

 

子どもは考えることの大切さを、

親は子どもに考えさせることの大切さを

知っていただければと思い、記事を書かせていただきました。このお話に共感していただければ嬉しい限りです。ありがとうございました。