数学にはたくさんの公式が出てきます。
特に図形の分野では扇形の面積や弧の長さ、面積や体積を求める際にそれぞれの形に1つずつ公式というものが存在します。
よくある勉強法が、公式を覚えて、例題を使って公式の使い方を学び、実際に問題の数字を公式にあてはめて計算するといった方法です。
公式の使い方を学ぶことは非常に大事なことなのですが、この方法で学習をしている人はしばらく時間がたってから同じような問題に出会って解き方が分からないとき、公式を忘れたからできないという状態になりやすいです。
なぜなら解き方を理屈で理解していないからです。
結局、公式を覚えればその場や目先の定期テストをしのぐことはできるかもしれませんが、3年生になって受験勉強をする際にまた1から公式を叩き込まなければいけなくなるので非常に非効率であると言えます。
では、どのようにすればよいかという話です。
一番良いのは公式の作られ方を理解してしまうことです。
公式というのはしっかりとした計算や理屈に基づいてできているものですから、理解していれば自分でつくることのできる公式ばかりなのです。

なかには覚えなければいけない公式もあります。
それは、試験当日などに自分でいちいち公式を作っていては時間がかかりすぎてしまうもの(例:解の公式)、中学範囲では公式を導き出すことが困難であるもの(例:球の体積や表面積)が挙げられますが、こういった公式はレアなケースなので非常に数が少ないです。
公式についての理解を、「公式を覚えれば問題が解ける」から「公式を覚えていなくても問題が解ける」に変えることができれば、今まで解けていなかった問題も解けるようになるかもしれません。
ここで述べたいのは、覚える公式は最低限に済ませ、少しでも数学を暗記に頼らない教科にしたほうが良いということです。
実際に見かける例を紹介します。このような公式と問題がありました。

<公式> 半径rの円の面積はπr2で求めることができる。
<問題> 半径3の円の面積を求めなさい。

このような形式で問題があったとき、だいたいの人は公式にあてはめて解こうとします。
具体的には、このような計算です。

π×32=π×9
=9π

ここで問題が解けてうれしい中学生は「円の面積を求めるときはπr2」と暗記をしてしまいます。
しかし、時間がたってから再び同じ問題を解こうとすると全く解けないのです。
そして次のように言います。

「円の面積を求める公式ってなんだっけ?」

ただ公式を丸暗記しただけなので、もちろん自分で公式をつくることはできないし、公式以外の方法で解く方法も知らないのでこうなるのは必然ではあります。
しかし、このようになってしまうと、数学は公式の暗記科目になり、公式を忘れたら一切問題が解けなくなってしまうので、定期テスト(範囲がせまいテスト)では一時的に点数が伸びても、実力テスト(範囲が広いテスト)ではなかなか点数をとることはできません。
先ほどの問題です。

<公式> 半径rの円の面積はπr2で求めることができる。
<問題> 半径3の円の面積を求めなさい。

では、新しく出てきた「半径rの円の面積はπr2」という公式に頼らず、今後も解けるようにするためにはどのようにしたらよいでしょうか。

考えてみてください。
円の面積を求めるのは今回が初めてでしょうか。
いいえ、小学生のときに円の求め方は習っています。
どのように習ったかというと、「半径×半径×3.14(円周率)」です。
円周率は中学生でπという記号を使って表すことを習うので、この知識で問題を解こうとすると、
3×3×π=9π
で問題なく解くことができます。
つまり、公式は覚えていなくても小学生の知識で解けてしまうのです。
ちなみに、小学生で習った「半径×半径×3.14(円周率)」を用いて公式をつくることもできます。
半径rとして円の面積を計算すると、
r×r×π=πr2
となり公式の形と全く同じ形がでてきます。
小学生で習ったことは小学生でしか使えないと勘違いしている人が多く、中学生になるとまた新しい知識として記憶し直さなければいけないと思っている人が多いようです。
このように公式は暗記していなくても今までの知識から作り出せるものが多くあります。
今までは暗記するのに苦労していた公式でも、公式の作り方を知ってしまえばたったそれだけのことだったのかと気付くこともあります。
確かな数学力を身につけるために今一度公式に対する考え方を変えてみてはいかがでしょうか。