今回は三角比の値の定義を解説していきます。<strong>非常に多くの高校生が間違った理解をしてるので、この記事をちらっと見て済ませないようにしてください

「え?三角比の定義はもうやったよ!」と言いたくなりますが、前回までの定義では弱いので、今回は定義を拡張します。何を言っているのかわからない方もいると思いますので、説明しましょう。

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これが三角比の値の定義でした。そして先ほど私は、「前回までの定義では弱い」と言いましたね。「前回までの定義では弱い」とは、「この定義では、θが90°より小さい角でなければならないため、θが90°以上の角では、三角比の値が定義できません(値が定められない)。角度は360°まであるのだから、これでは便利な道具とは到底言えない。」ということを言っています。

 

そこで昔の人は考えました。「前回までの定義に矛盾することなく、90°以上の角の三角比の値を定めるにはどうすれば良いのか」を。

 

その結果、「三角比の値は、角に対する単位円周上の座標と、線分(※正確には動径といいます)の傾きとして定義する」という方法が生まれました!

 

実は、この新しい定義を正しく用いていない高校生が多いです。

定義は、以下のようになります。

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この定義で覚えていないがゆえに、数学Ⅱの「三角関数」で躓く事例が多発しています。

三角不等式を正しく解けない、三角方程式の実数解の個数問題の解説が全く分からないなど、模試や入試で必須となる問題を白紙で持ってくる生徒は学年を問わず、毎年必ずいます

 

これは警告です

三角比の値は、角に対する単位円周上の座標と、線分(※正確には動径といいます)の傾きとして定義する

で必ず覚えてくださいでないと、苦労するのは受験生になった時のあなたです

まずは一つ、問題を出しましょう。

 

次の三角比の値の表を全て埋めることができますか?

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では、埋められた人に質問します。

なぜそのように表が埋まるのか説明できますか?

 

これに対する答えが「覚えた。覚え方は・・・です。」の方は、危機感を持ってください

また、学校の先生から「覚えてください」と言われ、暗記をさせられた方は、それが間違った教え方であると知ってください

 

定義に従って角度を測り、座標と線分(動径)の傾きとして求められている方は、それで正しい理解ですのでご安心ください。

 

それでは、間違った理解をされている方に、正しい表の埋め方を解説していきます。大事なことなので何度も言いますが、

三角比の値は、角に対する単位円周上の座標と、線分(※正確には動径といいます)の傾きとして定義する

です。三角比の値は以下のようにして求めるのです。

※作られた直角三角形の斜辺の長さは、円の半径に一致するので、1です。

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このようにして、すべての角に対する三角比の値を求めることができます。丸暗記は絶対にしないで、必ず定義から求めるようにしてください。特に、0°,90°,180°の三角比の値を答えられない方が多いです。三角比の値は、結果として覚えてしまうものであり、決して丸暗記によって覚えるものではありません

 

確かに、目の前の定期テスト程度であれば、理解の伴わぬ解法の丸暗記で乗り越えられるかもしれません。しかし、それで乗り越えてしまった場合が最も危険と言ってよいでしょう。なぜなら、丸暗記で乗り越えてしまったことで、誤った理解のまま先に進んでいる状態にあることになるからです。数学ではそれが最も危険であると、以前にもお話ししましたね。

 

センター試験や入試問題では、三角比、三角関数の定義や概念がちゃんと理解できているかどうかを問えるよう、問題に工夫がなされます。(大抵、応用問題と呼ばれています)

単元を問わず、そういった問題が解けない最たる原因が定義を正しく覚えていないことです。まずは、しっかりと定義を見直し、チャートなどで基本問題を解き直してみましょう。頻出の応用問題は随時解説していきますので、今しばらくお待ちください。

 

最後にもう一度、言っておきます。

 

三角比の値は、角に対する単位円周上の座標と、線分(※正確には動径といいます)の傾きとして定義する

 

 

以上です。ありがとうございました。

単元別攻略「三角比(4)」~中級編⑪三角比の公式~